1. 豪華な作家陣をくどいた理由と思惑
2. コメディーにうってつけの役者がそろった座組

2. コメディーにうってつけの役者がそろった座組
  
――演出をご自身でやるという選択肢はなかったんですか?
久ヶ沢
 実はこれ、最初は自分で演出しようかな、って思ってたんですが、いや大変だなと(一同笑)。以前、自分で主演して演出もして、という芝居をやったことがあるんですが、本当に大変で(笑)。でも、それをG2さんが観に来てくれて「こういうふうにできるんだったら、これからも演出をやればいい」って言っていただいたこともあって、これも自分で演出しようかなと思ってたんです。でも、構想が大きくなって、作家さんも役者さんもこんなにいっぱいになると、これはやっぱり冷静に見てもらう人がいないと大変だなと。
  
  
――それで福原充則さんに……
久ヶ沢
 福原くんの仕事は、昔から見させてはいただいてたんですが、仕事をしたのは、去年の年末に銀河劇場で、谷原章介くんが主演の朗読劇というか、芝居をやりながら、そのなかで本を読むという、ちょっとおもしろいお芝居に出演した時で、そのとき演出を受けて、信頼できる演出家さんだなーと思ったんです。それに、猫のホテルで福原くんが演出した作品が、すごくよかったんですよ。猫ホテのいいところをギュッと凝縮して舞台上にあげていて、猫ホテくささっていうのがすごく出てたんです。そういういいところをギュッと抽出してくれる力を信頼してお願いしました。
  
――作家が5人で、どういう話になるんですか?
久ヶ沢
 『A HALF CENTURY BOY』ということで、まんま、ある男の50年間を描いていくんですが、皆さんには、色んな時代でのその男のエピソードを描いて頂きます。あまり詳しく言うとアレなんで。その50年のいつを、どういう話で描くかというところまでの設定を、作家さんと話をさせていただき、あとはそれぞれ自由に書いていただければ、ということでお願いしています。
  
――いしのようこさんが出られるんですね。
久ヶ沢
 いしのようこさんには絶大な信頼をおかせて頂いてます。ご存知のように、デヴューして間もないころから、あの志村けんさんと丁々発止のコントをされてた方ですから。志村さんとあれだけのやり取りをされていたというのは、一緒にやっていくことで鍛えられたという事もあるんでしょうが、そういう素養があったということでしょうね。実は、いしのさんが前に相手役として出てくださったのが、G2さんが僕の演出をほめてくださった芝居なんです。可憐なんですよね。とても美しいし、すごく勘がいい方なんです。ぜひもう一度ご一緒したいと思っていたので、今回、凄くうれしいです。
  
――今立進さん、辻本耕志さんは、お笑いの方々ですね。
  
久ヶ沢
 作家のみなさんが、コメディーが得意な方々だし、お笑いてんこもりでお願いしてあるんで、役者にもスマートなツッコミができる人がほしいなと思ったんです。僕がボケたがりなので、全方位からつっこめるように、二人ぐらいツッコミがいたらいいんじゃないかと(一同笑)。信頼できるツッコミということで、演劇の畑も踏んでる二人にお願いしたんです。
 今立くんは、エレキコミックを見てて、本当に上手だなーと思うんですよ。彼も僕が賢太郎くんとやってる芝居を観に来てくれたりしてるんですけど、一緒にやるのは今回初めてなんです。
 辻本くんは、フラミンゴっていう3人のコントグループを組んでます。賢太郎くんのところで2回ほど一緒にやってるので、芝居も信頼してますし、僕のこともわかってるんです、と勝手に僕は思ってるんです。もともとこの話がぼやーっとしてる段階のころから「兄さん、僕出してくださいよ」と言ってくれてたので、こちらもぜひ!ということで声をかけさせていただきました。
  
――ヨーロッパ企画の永野宗典さんとは、どちらで?
久ヶ沢
 永野くんとは、最初、『コドモ警察』『33分探偵』を書いた福田雄一さんが脚本のテレビドラマ『ですよねぇ!』で一緒になったんです。彼は、愛くるしいぬいぐるみ的な、いじめられキャラなんです。僕の中で(笑)ちょうどいま、消せるボールペンのCMにも出てて、そこでもいじくられてるんですよ。ボケじゃないんですけど、彼をいじくっておけば、ホンワカ見えるというマスコット的なキャラなので、彼にはまだ伝えてないんですけど、そういう感じでやろうかな、と考えてます(笑)。
  
――平田敦子さんは特別出演となっていますが……
久ヶ沢
 がっつり出てもらおうと思ってたんですけど、この公演の直前まで芝居が入ってて、カッコイイ男子が主演の規模の大きな舞台で、「それならしかたないね」って言ったら、「いや、私はあんたのほうが先に声をかけてくれてたら、そっちに出てたわよ」って、男前です(笑)。でも、いろいろ考えていくうちに、どうしてもあっちゃんにやってほしい役が出てきて、これは平田敦子にしかできないから、ちょっとでもいいから出てほしいと頼んで出てもらうことになりました。
  
――小宮孝泰さんとは?
久ヶ沢
 小宮さんとも初めてなんです。いろいろとお芝居は拝見してますし、飲みの席でお話させていただいたりもしてたんですけど、今回、お芝居を締める意味で、年上の方が欲しいと思ったんです。コメディーということでも信頼おけるし、ちょっと変な顔だし(笑)。いやいや、いい意味でですよ!その個性的な風貌と、お芝居のやわらかさで、ぐっと重みをつけて頂きたいと思い、お願いをしてみたら、「楽しそうだから、いいよ」と快く引き受けていただいて。本当にありがたいと思っています。
  
  
――では、最後に観に来られる方にメッセージを。
久ヶ沢
 始めは、ホントにいい加減に、ノリで言ったんですけど、いろいろやっていくうちに、「ものすごく面白くなりそうだなー楽しいなー!」っていう気持ちと、これだけの人に集まって頂き、「もはや成功しかあり得ないですよねえ!」的な眼差しで見られる座組になってるんで、その狭間ですごいプレッシャーなんですけど(笑)みなさんからひしひしと伝わる期待に必ずやおこたえしたいと思っています。僕自身も楽しみにしていますし、おもしろくなるよう、がんばってつくりあげていきますので、みなさん、ぜひともお越しいただければと思います。よろしくお願いします!
1. 豪華な作家陣をくどいた理由と思惑
2. コメディーにうってつけの役者がそろった座組