ストーリー

それは、電話のベルから始まった。
見えない相手と繋がるその一瞬に、幸せと不幸せが交錯する。
仕事、恋愛、結婚。
そんなものに縛られる前には確かにあった、女友達との無邪気で幸福な時間。

陽子は、自身で選んだ仕事の道に行き詰まっていた。
真由美は、自身のなかにある消せない想いに苦しんでいた。
香織は、降って湧いたような幸せに戸惑っていた。

三人の女たちは、かつて同じ高校の同級生だった。
真由美と香織は、互いを親友以上の存在と感じていた。
同じ学校には、後に、彼女達の人生に深く関わることになる男もいた。
真由美には単なる友人。
陽子には大学時代の恋人。
そして香織には、婚約者となった義男だ。

結婚という幸せを目前にした香織を前に、
真由美と陽子の胸の内には、言葉にしてはならない想いが渦巻く。

本音と建前。
幸福と不幸。
恋愛と友情。

運命を決する「ブライダル」の日は、刻一刻と近づいて来る。