まず最初に訂正とお詫び
前回、「シカゴ大学に到着」と書きましたが、「ルーズベルト大学」の間違いです。
いい加減なこと書いてすんません。
さて、というわけで、今回は、そのルーズベルト大学のビルの1Fで撮った写真から。 そう、ルーズベルト大学の1Fには劇場の入り口があるんです。オーディトリアムシアター。ルイス・サリヴァンなる建築家の設計による壮麗なデザイン。

見よ。舞台の上の部分が、こんなに金ぴか。
そうなんです。私がここシカゴに来たのはミュージカル「ライト・イン・ザ・ピアッツア」シカゴ公演を観るためなのでした。(日本公演の詳細はこちら)
私が日本版「ライト・イン・ザ・ピアッツア」のオファーを受けたのは、昨年の夏。NYで放送されたテレビ中継のビデオを観て「お。これは面白そう。そして確かにトニー賞を6部門とるだけの作品ではある!」と実感して演出を引き受けることにしたのですが、ちょうどそのころ、ブロードウェイでの公演は終幕してしまったのでした。
が、ちょうどこの日、シカゴでの公演があるという情報を得て、飛んで来たというワケなのです。
だいたい「OUR HOUSE」の時もそうでしたけれど、ブロードウェイやウエストエンドでの公演は、1年以上ものロングランがほとんど。その演出は劇場の特性を生かしたり、特設の仕掛けを作ったりと、ロングランの優位性を生かしたもの。日本に持ってきて、数週間の公演ではとうてい真似ができない。
ところが、ブロードウェイの作品をこうして他の都市に持ってくるケースでは、その劇場の特性は生かせない。いろんな都市を回る関係上、どの劇場でも無理なくやれる演出に変更されます。
特に「ライト・イン・ザ・ピアッツア」NY公演は、ちょっと変わった形式の舞台をもつ劇場での公演。その特性を十分に生かした装置と照明は、ジェラシーを感じるほどに素敵なものでした。
それが、シカゴ公演ではどうなるのか? まさに日本公演を占う舞台になるはず。そういう想いもあってのシカゴへの旅でした。
 
いよいよ開幕っ!
やっぱ音楽が良い! 私がミュージカルに関わるとしたらロック系しかないだろう。という常識を覆す、クラシカルな音楽。すんごくキレイ。しかもストーリーが単純でしっかりと練られているから、場面と音楽がマッチすると鳥肌もの。特に、クララ(日本公演では新妻聖子)とファブリツィオ(小西遼生)が手探りで愛を確かめていく曲は圧巻。生オーケストラも生かされた十分に聞き応えのあるアレンジ。
音楽がクラシックとはいえ、和音の響きとか何となく雰囲気がモダン・ジャズの香りもあり、そこが私的にはちょっと惹かれる。それだけに、聞くと美しいメロディーなのに、歌おうとすると難しくて全く音程が取れない。
実際、今、訳詞に取り組んでいる最中なんだけれど、つけた詞を自分で歌うことが不可能な曲がなんと多いことか。ギターで旋律を弾きながらでないとメロと詞のリズムを確認することができない難曲ぞろい。そこが出演者の腕の見せ所でもありますが。
そしてシカゴ版の演出は? はっきり言ってやはり「格落ち」の感は否めなかった。同じ装置をなるだけはめ込もうとしているのだが、NYでの装置の奥行きや、奈落を生かした道具と人の動きが織りなす情緒はまるでなかった。(まあ奈落が使えないからねえ)
このシカゴ公演を観て、私の決意は固まった。
うむ。やはり日本公演は、装置、照明に関してはNYとは全く違うオリジナル路線でやろう。G2演出の特性を思いっきり出せるものに塗り替えてやろう。 
決意も新たに翌朝、私はNYへ向けて飛ぶべく、再びオヘア空港へ。
空港の書店では、「ハリーポッター最終話」の出版を知らせるポスターが。そうだ。今日は全世界で一斉にこの本が出版される日だった。せっかくだから買おうと手にとると、これがまた、百科辞典並みの大きさ。力入りまくりですよ。第1回のペーパーバックスに比べて、重さは余裕で十倍くらいある。旅の途中で買う本ではないな。と泣く泣くあきらめる。
そして数時間後、私はNYの町へと降り立ったのでした。
シカゴのついでに立ち寄ったわけではありませんぞ。このNYにもNYで重要な目的があったのでした。
が、その目的の前にひとつ、せっかくだからあそこへ行って見よーっ。

というわけで見てください。この行列。
ビルを一周するかというようなこの行列は、ビルの中に入っても、ほら、ほら、ほら。

凄い行列でしょう。何しろ待ち時間が2時間。
さて、ここで問題です。この行列。いったい何を待つ行列なんでしょうか? 答えは来週!
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